臨床工学技士(Clinical Engineer: CE)は1987年5月に制定された「臨床工学技士法」に基づく医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格です。医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする医療機器の専門職種です。 当院は2016年にCEが初入職し現在は3名在籍しています。当院のCEは手術室や病棟、外来など幅広く業務を実施しています。医療機器のトラブルが発生しても迅速に対応するよう心がけています。
臨床工学科では院内にある約500台の医療機器を一元管理しています。医療機器管理ソフトを用いて、購入から点検、修理、廃棄まで適正な機器運用に努めています。院内の医療機器にトラブルが発生した際は迅速に適切な対応をなるよう努めています。定期点検や修理点検を院内で実施するような体制のため、医療機器を安全に使用するとともにコスト削減に努めています。
輸液ポンプ・シリンジポンプ
生体情報モニタ
手術室で使用する麻酔器や電気メス、手術用顕微鏡、外科内視鏡装置など手術で必要な機器の管理もCEが行っています。ナビゲーション機器操作といった手術室の診療支援を行っています。手術室は大型であり特殊な医療機器を多く所有しています。医師や看護師と協力して安全使用に努めています。
ニューロモデュレーション手術
耳鼻咽喉科ナビゲーション手術
麻酔器保守点検
生命維持管理装置である人工呼吸器の管理もCEが主として実施しています。人工呼吸器の始業点検をはじめ、使用中点検は1日に3回実施し、安全かつ適正に使用できるよう努めています。
人工呼吸器
人工呼吸器定期点検
脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)や脊髄刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)の業務を実施しています。手術室や病棟、外来、患者サポートなど幅広く実施しています。手術室ではナビゲーションや神経活動電位の操作、デバイス管理を行っています。病棟では医師の指示の下にDBS、SCSの刺激調整、患者に対する機器説明を行っています。外来ではデバイス情報のカルテ記載をはじめ、医師の指示の下にDBS、SCSの刺激調整、患者や家族からのデバイス相談を行っています。また、患者や家族からのデバイスに関する相談、他施設での検査や手術依頼への対応を行っています。ニューロモデュレーションは多職種連携が必要であるため、CEも率先してチーム医療に貢献しています。
DBS手術
SCS手術
DBSコンタクトスクリーニング
ニューロモデュレーション外来
内視鏡室における内視鏡装置や洗浄機の管理も行っています。総合美容センターにおける医療機器の保守管理も行っており、多方面にて活躍しています。
内視鏡室
当院はCEが医療機器安全管理責任者であり、医療機器の安全使用に努めています。医療機器の保守点検計画の作成、医療機器安全情報の収集、医療機器研修計画の作成を行っています。医療安全週間ミーティングに参加し、情報共有に努めています。
輸液ポンプやシリンジポンプをはじめ人工呼吸器、除細動器の研修会を企画し開催しています。新しい医療機器導入時やレンタル機器に対する研修を行っています。個別の研修依頼に対して適時対応しています。医療機器研修はメディカルスタッフに対する安全使用を目的とするとともに、CEの自己研鑽にも繋がります。積極的に研修を開催するようにしています。
人工呼吸器勉強会
除細動器勉強会
ニューロモデュレーション勉強会
当院CEが関わる学会や講演会に積極的に参加し自己研鑽に努めています。また講演会の演者や参加した際は当院ブログに執筆し、情報発信を行っています。
※講演会講師
第5回中四国機能外科懇話会
SCS Summit 2022
第21回日本臨床脳神経外科学会 当院CE発表
資格名 | 資格取得者数 |
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第2種ME実力検定試験 | 3名 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 2名 |
日本ニューロモデュレーション学会ニューロモデュレーションサポートプロバイダー | 2名 |
透析技術認定士 | 1名 |
日本救急医学会認定ICLSインストラクター | 1名 |
日本パーキンソン病運動疾患学会認定パーキンソン病療養指導士 | 1名 |
日本災害医学会MCLSプロバイダー | 1名 |