認知症疾患医療センターには5つの役割があります。
①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行う
②診断にもとづく適切な治療方針を決定する
③内科的異常の早期発見・治療する
④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたったり、地域や行政等の関連機関の部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考える
⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能する
こういったことは患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。
今回は役割③:内科的異常の早期発見・治療、についてご説明します。
認知症を患う方は判断力や記憶力の低下のため、衣・食・住・病にかかわる自身の日常の体調管理・環境調整に支障をきたすことが多く、それに伴う内科的な異常の早期発見・早期治療が非常に重要です。例えば上記のような生活習慣のコントロールが、脳の機能維持のためにはきわめて重要になってきます。認知症の進行を遅らせることに寄与するだけでなく、認知症の危険増悪因子は妄想、幻覚、興奮、といった精神症状の併発にも強い関連があります、その症状を引き起こしている原因を注意深く観察し、環境を調整したり、薬剤を調整することによって症状を軽くする、または症状の発現を未然に防ぐことができます。この生活習慣の改善や維持をどのように行うのかといった点に関して、次にお話しする④関連機関との協調・連携によるサポートをおこなっていきます。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはご相談を!
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535
(執筆者;CP阿部)